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2014-01-31

芥川賞と直木賞(仮説)

多読ではないのでほんのここ数年の実感で恐縮です。
詳しい人は違うよ!心の中で突っ込んでください。

「直木賞と芥川賞ってどう違うの?」
って初めて聞いたのは20くらいのころ。
宣伝会議の同級生小澤さんに聞いてみた。
仏文出身の小澤さんは小説家希望で森茉莉のファンだという。
正直そのころもあまり本を読んでいなかったので
森茉莉も読んでませんでした。
「それは純文学と娯楽小説の差だよ!」と言われたのですが
それこそ、純文学って何?っていう感じだったのでそのまま放置。

最近ちゃんと本を読むようになって
さらに別の人にも聞いてみた。
「芥川賞は純文学で、直木賞は娯楽小説とか通俗小説とかエンタメ系」と
やはり同じ答えが返ってきた。
が、しかし、
ある編集者さんによると
最近は、純文学とそうでないものの差があいまいだという。
純文学という範囲がそうでないものと分かれてない。
ひとくちに娯楽小説といっても、時代小説からラノベまで含まれるのだから
その範囲は広い。

根本的に純文学って何?っていう疑問もある。
「純文学雑誌に掲載されたものが純文学で、
娯楽小説雑誌に掲載されたものが娯楽小説」だというのでますますわからない。
しかし純文学と思われる山田詠美でさえ、直木賞受賞なのだから
その定義はあいまいであるとしかいいようがない。

ある小説家がいうには、
「どちらかかという定義範囲はどうでもいい。読者が面白いと思うものを書くこと。
昔は純文学を書いていたが今は娯楽小説を書いている」と。
確かにその人の小説を何冊か読み進めてみると
初期はとても変わったものを書いているが
一番売れたというものは恋愛小説なのだ。

ふと思ったのは、
直木賞の範疇になるのは、「男小説」「女小説」であるということだ。
例外としてすでに著者本人が有名人である場合やすでに売れっ子である場合は、直木賞に入るようだ。(通俗だから?)
また歴史小説、SF小説など特定のジャンルがはっきりしているものは
直木賞に入る。

そう思い出したのは、
前に直木賞を取った白石一文の「私という運命」という本を読んだときからだ。非常に描かれ方が通俗的で(やくざが出てくる下りなど)
え?そんなんでいいの??とびっくりした。なんかくさすぎてあきれた。
他の物を読んでいないのでなんともいえないが、女の私が読むには
ちょっとへんなところがいっぱいあったのだ。
しかし男性がこれを読むとそうでもないらしい。

そう考えてみると、山田詠美は完全なる女小説である。
女はそれに心のどこかで同意するが、男はそれを読んで
女の隠された部分を覗いたような気になるだけ。

村上春樹とかは典型的な男小説だろう。
女にほとんど人格がなく、悩む主人公の前に都合よく出てきてセックスをさせてくれる。(これだけ書くと島耕作みたいにも見える)
雰囲気自体は、ソフトな描写で女性向き風に書かれているが
非常に中身はマッチョな男のご都合主義である。
(マッチョ好きな女性は、ご都合主義でも気にならないのかもしれない。
村上春樹のことは好きでも嫌いでもないので、ハルキストの方々はスルーしてください。)

そうなのだ。自分の好きな作家だけ読んでいると
「男小説」「女小説」という区分けがあることに気づかないのだ。

そう考えると渡辺純一先生は、男小説の代表格ともいえる。
男のファンタジーを描くことで男性読者を獲得しているに
他ならない。
同じく女性も女文学を読んで、自分のファンタジーを広げる。
前出の恋愛小説も面白かったが、
ちょっと物足りない気がした。直後はそれが何かはわからなかったが、
それは男のファンタジーだったからで、女にとってファンタジーの部分が
少なかったということなのだ。(著者は男性)

私が最近好んで読む柚木麻子、瀬尾麻衣子、西加奈子、などは
完全に女文学。男性が読んでもそれほど面白いとは思わないはず。
(よしもとばななもそうかも。)

ただし直木賞を受賞できるのは「男小説」「女小説」であっても
相対する性をある程度楽しませることができるものが選ばれる。

反対に、芥川賞は、女文学でも男文学でもない文学を指す。
どこにも読者の「女」である部分とか、「男」である部分を刺激しない。
それが純文学。

長年の疑問に、
なんとなくこの区分けが正解のような気がしている。

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